新白河国際教育学院

 

日本語教師養成講座のなり方

日本語教師とは?

  日本語教師と名乗るのに特に資格があるわけではありません。
  したがって、誰かに日本語を教えていれば、誰でも日本語教師といっても、かまわないともいえます。
  ただ、通常、日本語教師といわれるのは、概ね次の4つに該当する場合です。

  ・国内の日本語学校で日本語を教えている。
  ・国内の会社等からの依頼により技能実習生などの日本で働く外国人に対して日本語を教えている。
  ・国内の国際交流団体などが実施している日本語教室で日本語を教えている。
  ・海外の日本語教育機関で教えている。

  このうち、①・②・④は、通常、仕事としてお金をもらって日本語を教えるものですが、③は、ボランティアとして日本語を教えていることが多いのです。④は、だいたい仕事として日本語を教えるものですが、国や地域によって賃金面など大きく異なり、一概にはいえませんため、ここでは詳細jは述べません。

  なお、①~④以外には、大学などで留学生に日本語を教えることなどもありますが、ここでは省略します。

日本語教師の資格とは?

  当校や他校の文化庁届出受理日本語教師養成講座を修了することで得られる「日本語教師の資格」とは、(いわゆる)日本語学校(上記の①)で教員として働くことができるための資格です。

  (正確には介護の技能実習生に対して法律で義務づけられた入国後研修で日本語を教える場合にも、同じ資格が必要です。)

  日本語学校とは、正確には「法務省で告示された日本語教育機関」といい、きちんとした教育機関であると法務省が認め、そこで勉強するために留学することを認めてくれる(「留学ビザ」(正確には「留学の在留資格」)を得られる)教育機関のことです。

  このように、日本語学校は、たんなる日本語教室(上記の③)とは異なり、日本語教育機関としてきちんとしたものであるため、そこで日本語教員として働くためには、日本語教師養成講座の修了などが必要とされているのです。
  (逆に日本語教室などで日本語を教えるだけなら、こうした資格はなくても、誰でも教えてかまいません。既に述べたように、日本語学校でない日本語教室では、特に資格のないボランティアの方が(留学生でない)外国人の方に教えていることが非常に多いのです。)

  日本語教師の資格を得る方法としては、文化庁で届出受理された日本語教師養成講座を修了する方法以外には、以下のような方法もあります。 

  ・大学で主専攻または副専攻として日本語教育養成課程を修了する方法
  ・日本語教育能力検定試験に合格する方

  このうち後者は費用もあまりかからず経済的にはメリットが大きいのですが、試験の合格率が2~3割と低いこと(下記の図を参照、青が合格率、赤は「合格者数/申込者数」)、また、実際の就職のとき、教育実習の終えていないと、就職先から、理論だけで実践力がないと見られやすいことがデメリットです。

合格率の推移

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日本語教師養成講座の選び方

  将来、仕事として日本語教師をしたいという人なら、実際の日本語学校で勉強している留学生を相手に教育実習を行うことができることが重要です。一口に日本語教育といっても、日本語学校で勉強する留学生と、それ以外の外国人を対象にした日本語教育とでは、相当異なる点があります。したがって、将来仕事として日本語教師をしたい、法務省で告示された日本語教育機関(日本語学校)で働きたいということであれば、実際に仕事に就いたときに教える相手である日本語学校で勉強している留学生を対象として教育実習を行っておくことが、極めて重要だからです。

 それに、すでに述べたように、いわゆる日本語教師の資格とは、本来日本語学校で働くための資格なのですから、その点からも日本語学校併設の養成講座で資格を取得することは有益です。日本語学校併設の講座なら、業界の実情を知る機会も豊富だからです。

  逆に、ボランティアとして活躍したいという人は、留学生以外の外国人を相手に教育実習を行う講座でも、あまり問題はないでしょう。

  また将来、海外で日本語教師をしたいという方もいらっしゃると思いますが、その場合も、留学生を相手に教育実習をできる講座をお薦めします。日本語学校と日本語教室のカリキュラムは大きく異なっており、日本語学校では、ある程度長期の期間留学生が日本語を学習することを前提にしたカリキュラムが組まれています。海外で日本語を教える場合も、(教育機関の種類等にもよりますが)ある程度長期の学習を前提としたカリキュラムが組まれていることが多く、この点で、日本語学校に近いと言えるからです。

  ちなみに、当校の日本語教師養成講座では、当校に実際に在学している留学生を相手に教育実習を行うことができるため、将来、仕事として日本語教師をやりたいという方にとっては役に立つ講座として設計されています。なお、当校には、留学生以外の外国人(留学ビザでない外国人)も在学しているため、ご希望があれば、追加で留学生以外の外国人を相手に日本語教室に近い実習を行うことも可能です(その場合の料金等はご相談ください。)。

 なお実践力については、全国日本語教師養成協議会の実施している「日本語教師検定」を受験して合格しておくのもお薦めです。「日本語教師検定」は、日本語教師としての必要な知識の有無をはかる「日本語教育能力検定試験」と趣旨が異なり、日本語教師として授業を実施するための実践力があるか否かを問う試験です。ペーパーテストという限界はあるものの、この試験の合格は実践力があること客観的に示す一つの証明となるため、できれば教育実習とあわせて合格しておくとよいと思われます。

最近の制度改革の動きについて

 現在の状況は以上ですが、現在、国では日本語教育の制度を変えようとする動きがあります。新たに「登録日本語教師」という国家資格制度を作り、また現在の日本語学校などから優良な日本語教育を行っている学校などを「認定日本語教育機関」として国(文部科学省)に登録し、登録日本語教師をそこで働くための資格とするという方向性が打ち出され、2023年2月に国会に法案が提出され、現在国会で審議されています(現在のところ来年4月施行の見込みです。)。この動きは新聞などでも報道されたので、もしかしたら、みなさんのなかにも耳にしたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

そこで気になるのは、新たな制度ができるとしたら今、日本語教師養成講座を受講する意味がないのかという点ですね。

詳細は、今年度中に設けられると思われる、法律より細かなことを定める省令などを見ないとわかりませんが、現段階での国での議論を見ると、少なくとも登録日本語教師になるだめには原則として新たに設けられる国家試験に合格することと、教育実習を終えることが必須になる方向のようです。そして、試験は、基礎試験と応用試験の二つのパートがあり、現行の文化庁届出済日本語教師養成講座を終了した者は、経過措置期間中に登録すれば、応用試験だけ受験すればよい(つまり基礎試験は免除されるし、新たに教育実習を受ける必要はない。)ということになりそうです。とすると今、日本語教師養成講座を受講して修了しておく価値は依然高いといえるでしょう。

それでも、応用試験だけでも試験を受けるというと難しそうだなと感じる人もいるかもしれませんね。でも心配することはありません。現在までの議論をみると、この試験は、現在の日本教育能力検定試験などと比べて基礎的な出題をする見通しのようですし、合格率もかなり高くなりことが見込まれます。

こう書くと逆に、少し待って今、日本語教師養成講座は受講せず将来やさしくなった試験を受けることで資格を取ろうと考える方もいるかもしれません。でも、これもお薦めはできません。その場合でも教育実習は受けなければなりませんし、新制度の下では、現行の日本語教師養成講座・大学の日本語教師養成課程は「認定日本語教師養成機関」という制度に変える方向のようですが(修了者の扱いは応用試験だけの受験で済むということで、経過措置期間中に現行制度の日本語教師養成講座・大学の日本語教師養成課程を修了した場合と同じ扱いになりそうです。)、こうした機関が設けられるとなれば、そこへの配慮から、こうした機関で講座を受講せずに資格を取得するのは難しくなるのではないかと思われます。(つまり、認定日本語教育機関という制度を設けたのに、これを経由しないで容易に資格が取れるのでは機関を設ける意味がない。)これはあくまで当校の予想ですが、日本語教師養成機関修了者以外が受験しなければならない試験1は難しく、試験2はやさしいということになるのではないでしょうか。

とすれば、現在日本語教師を目指す方は現行の文化庁届出済日本語教師養成講座を修了しておくのがベストの選択と当校では考えます。

 

当校がお薦めする日本語教師養成講座

 当校では、全国日本語教師養成協議会の加盟校の開設する日本語教師養成講座をお薦めしています。全国日本語教師養成協議会についての説明は省きますが、加盟校の開設する日本語教師養成講座は、いずれも上記の観点からお薦めできますし、いずれの加盟校も「日本語教師養成講座及び日本語教師の質的向上を図る」という全養協の設立目的に賛同する機関であり、その点からも安心して受講できる講座であるといえるからです。


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